weblog@mazushima

京都で役者をやっている豊島勇士のブログです。

『ヒトの化石』タッチについて

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ずっと悩んでいた、作りたい作品の「タッチ」について、自分なりに納得がいったのでまとめます。
これから話をするひとたちに僕の話に乗っかってもらうためには、伝える必要があることだと思うからです。
 
今後どうなるかはわかりませんが、少なくとも今回は、ミヒャエル・エンデに大きく影響を受けつつ、いわゆる”児童文学”(この””は外人が映画とかでよく皮肉を込めて両手の人差し指と中指を曲げてつくってるやつ)的な作品づくりをします。
例えば、コロッセオに集まったこどもたちとモモが、調査船ごっこをして遊んだように、ということです。
 
中島敦の『狐憑』、
ほらふき男爵の冒険、
キャプテン・ブルーベアの13と2/1の人生、
ミヒャエル・エンデ『モモ』のジジ。
 
「おはなし」をするというのは、作文を書くことよりも、音楽を紡ぐことや、絵を描くことに似ていると思います。
 
僕はとても理屈っぽく頭がはたらくタチで、普段何かを受け取る時はすこぶる感覚的なのに、いざ何かを「つくらねば」と思うと、何か公式があってそれに合わせて解いていかなければならないように感じてしまいます。
でも、そこから逃れないと、つくりたくなくなってしまう。
 
だから、
喋り始めるときは冒険に出るような気持ちで、どこに行くかわからない。
楽しくするためにとんでもないことが次々起こって、
たどっていくうちにおはなしの終わりが自然とわかるような、
そんなふうにつくりたいです。
 
この「つくりかた」と「つくられるもの」はほぼ同じものです。
だから、つくりかたの話をしているようで、これからつくられるものがどんな作品になるか、の話をしています。
 
なるべく理屈をこねずに感覚でつくっていこうと思いますので、多少サムかったりポエジーかもしれませんが、どうぞご了承ください。