weblog@mazushima

京都で役者をやっている豊島勇士のブログです。

罪と罰

贋作罪と罰を見た。95年の初演。
http://sp.nicovideo.jp/watch/sm6893759

野田の作品を始めてまともに一本見た気がする。
面白かった。特に、生音でつける効果音、アレが素晴らしかった。
なんというか、マイム、僕の考えていた「見たて」のようなものの原点は、やっぱり野田作品にあったのかもしれない。

それはまあ置いといて。

ケッペキがやるならともかく、これだけ西連協で目をつけられた猛き流星がこの芝居を西部でやるなら、その意味は考えなくちゃいけないと思った。

95年、思想が人を殺すといえば、オウム真理教だったかもしれない。

ただ、今その芝居を西部でやるんだとしたら。
西部の屋根の三ツ星は、どうするんだと。

「誰かが立てば、俺も立つ!」
「お前立てよ」
「お前立てよ」
っていうダチョウ倶楽部みたいなシーンがあったけど、そこで実際に「立った人」ってのがいたわけで、その人たちは殺して殺されて。

公共ホールでやる分にはこれは彼岸の煙かもしれないけど、西部であったならば、それはそうではありえない。

芝居の中ではケリがついて、「世間」でもケリはついてるかもしれないけど、西部の現実の歴史にケリはついてない。そんな土アカまみれの中でやらざるを得ないのが西部の芝居で、それに対して何らかの問題意識はあるのかと問いたい。